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【AGLAアーカイブス】アーユルヴェーダで体質診断 〜 プラクリティ・ヴィクリティ チェック

AGLAアーカイブス

心と体を調える女性のためのスピリチュアルメディア『AGLA』で、とくに人気の高かったコラムを再掲する「AGLAアーカイブス」。2020年4月5日公開記事『アーユルヴェーダで手に入れる、ほんとうの健康と幸せ(連載第4回)』よりお届けします。

今回のコラムも引き続きアーユルヴェーダの体質についてお話させていただきます。

アーユルヴェーダにおいて私たちの体の基礎となっているのはドーシャ(病素、乱すものなどの意味)と呼ばれるエネルギーであり、ヴァータ・ピッタ・カファの3つがあると前回お伝えしました。これはアーユルヴェーダではとても大事な法則の1つで、独特な体質論でもあります。

自然界にもこれら3つのドーシャが存在し気候や季節によって変化し続けており、誰もが3つのドーシャ全てを持っています。ドーシャは食べ物によって体内に生じ、生活や季節、環境によって常にそのバランスが変化し続けています。どのドーシャが他のドーシャと比べて多いかといったバランスによってその人の体質が決まるのです。

その人が生まれ持った状態でドーシャがバランスしていると健康でいられますし、ドーシャのバランスが崩れると病気になります。つまり、ドーシャのバランス/体質によってその人が本来どのドーシャがバランスを崩しやすいのかが分かるというわけです。

例えば、積み木は積み上げていくほどバランスが崩れやすくなるのと同じように、ドーシャは増えすぎてバランスが崩れます。ヴァータ体質の人がヴァータのエネルギーを増やす食事を摂り続け、季節や環境を考慮せずに生活を送っていると、ヴァータが増えすぎた時に痛みや不眠、心の不安定さ、疲労、便秘、肌や髪などの乾燥、顔の色が黒っぽくなる、ガスが溜まる、などの症状に悩まされることになります。

簡単に言えば、自分の体質と同じドーシャのエネルギーを増やし過ぎると人は不健康な状態に陥り病気になるということです。

ですから、まずはアーユルヴェーダで自分の体質を知って、それをバランスさせるための食事や生活、季節や環境の過ごし方を取り入れることで、自ら病気を予防して健康で若々しく、人生を幸せに満ちて豊かに生きることができるようになります。

プラクリティとヴィクリティ

アーユルヴェーダで一言に体質と言っても、その人が生まれ持ったドーシャのバランスと、現在のドーシャのバランスの2種類に分けて考えます。

生まれ持ったドーシャのバランス/体質はプラクリティと呼ばれ、両親の精子と卵子が受精した瞬間に決まり、死ぬまで変わらないとされています。1種類のドーシャが優勢な(多い)人もいれば、2種類のドーシャが優勢な複合体質の人もいますし、3種類が同じ程度でバランスしている人も稀にいます。例えば、ヴァータとピッタが多くて、カファが少なめであれば、その人はヴァータ・ピッタ体質と呼ばれます。

ヴァータをV、ピッタをP、カファをKと表記すると大きく分けて(V、P、K、V-P、V-K、P-K、V-P-K)の7種になります。ドーシャが優勢な順番を正確に表すと(P-V、K-V、K-P)が加わり10種類になります。

先述したようにドーシャは増えすぎてバランスを崩しやすいため、プラクリティにおいて生まれつき多いドーシャは、その人がバランスを崩しやすいドーシャということになり、体質によってある一定の病気になりやすいという事です。それはドーシャが存在する部位によって異なりますので別の機会にお話していきましょう。

現在のドーシャのバランスをヴィクリティ(過剰の意味)と呼びます。日頃の食事や生活による影響を受けて、ドーシャのバランスが崩れていることの方が多いです。

例えば、ヴァータ体質で生まれた人は本来的に体の線が細く華奢な人が多いのですが、甘いものばかりを食べ続けているとカファが増えて、カファ性疾患である肥満や呼吸器疾患が出てきたりします。

プラクリティ・チェック

それでは、自分の生まれ持った体質/プラクリティを調べてみましょう。

幼い頃の事を思い出しながら、以下の問いに答えて下さい。

1~5で自分に当てはまる程度の番号に〇を付けて、最後に合計点を出して下さい。

合計点を見て、数値のバランスはいかがでしょうか?

30点以上の得点になるドーシャがあれば、そのドーシャの体質である可能性が高いといえます。2種類のドーシャが高い場合は複合体質であり両方のドーシャに気を付ける必要があります。3種共同じ位の得点である場合はトリ・ドーシャと言って生まれつきドーシャがバランスしている病気になりにくい体質であることもありますが、もっと質問数を増やして詳しく見ていくとばらつきが出てくる場合もよくあります。

ヴィクリティ・チェック

それでは次に現在のドーシャのバランス/ヴィクリティを調べてみましょう。

最近1週間~1カ月の事を思い出しながら、以下の問いに答えて下さい。

1~5で自分に当てはまる程度の番号に〇を付けて、最後に合計点を出して下さい。

どのドーシャのアンバランス度の得点が高かったでしょうか?

得点が高かったドーシャを鎮静する(減らす)ための食事や生活を取り入れて、本来の生まれ持った体質/プラクリティに近付けていくことがアーユルヴェーダの養生法となり、病気であれば治療になります。

アーユルヴェーダ医師があなたからみっちりと話を聞いて、脈や肌や髪に触れ、体のあちこちを観察して、やっとこの人はこのドーシャの体質だろうと診断がつくものと言われますので、このように簡易的な問診票の答えが絶対的に正しいというわけではありません。参考にされる程度で考えて下さいね。日頃から自分をよく観察し続けていくと、おそらく自分はこのドーシャが優勢だなということが自ずと分かってくるものです。

次回からは、ドーシャをバランスさせる様々な方法についてお話していきます。

参考資料

AMAJスクール アーユルヴェーダ医師 田端瞳先生の講義資料より
「体質判定問診表」上馬塲和夫先生の講義資料より
「インド伝承医学で健康に!アーユルヴェーダ入門」上馬塲和夫・西川眞知子著

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アーユルヴェーダ・エステサロン&スクールRAMA代表 / AMAJ(アーユルヴェーダ・メディカル・アソシエイツ・ジャパン)副理事長 。アーユルヴェーダ・セラピスト、ヨーガ・セラピストとして、サロン以外にもヨガスタジオ、統合医療施設、美容サロン、整骨院、食品会社等などで、各種セミナーや基礎理論講座などを行っている。

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