心と体を調える女性のためのスピリチュアルメディア『AGLA』で、とくに人気の高かったコラムを再掲する「AGLAアーカイブス」。2019年10月8日公開記事『暮らしを彩るハーブの魅力(連載第五回)』よりお届けします。
日差しはまだ強いですが、少しずつ秋の気配を感じます。これから寒くなる季節に向かって、昼夜の気温差で体調管理がどんどん難しくなります。
この時期の過ごし方のポイントは、流行性の風邪やインフルエンザ対策に早めに取りかかって年末年始にかけての、クリスマスや大晦日、お正月など盛りだくさんのイベントを元気で思いきり満喫したいですね。
秋は「豊穣の季節」これから寒い時期を乗り越えるために、必要な栄養を蓄えるために秋の実りがあるともいわれます。植物や動物をはじめ私たち生きているものすべてが、自然の恵みを来年の命に繋げていくために秋の準備を始めます。
人間である私たちは、食欲の秋に美味しいものを食べて、ココロとカラダに栄養補給して夏の疲れを癒すかのように穏やかに過ごします。
そして、寒い季節を元気に過ごすためのキーワードの一つにビタミンCがあります。
今回は、このビタミンCについての働きやビタミンCをたっぷり含むハーブのことなどお伝えしたいと思います。今年はきっと風邪なんて怖くない!と思ってもらえるかも。
ビタミンCってどんな働きがあるの?
カラダにいい、という事は何となくわかっているビタミンやミネラル類。糖質やたんぱく質、脂質の三大栄養素と違ってエネルギーにはならないけど、カラダの機能を整えるために非常に大きな役割をもっています。
例えば、風邪をひいてしまうなど病気の時に「ビタミンCを摂りましょう」といわれます。病院ならビタミン剤を処方されることもありますね。
そもそも風邪はウィルスによる粘膜への感染・炎症が進行したもの。くしゃみや鼻水、アレルギーなら肌のかゆみ、ケガならやけどに擦り傷、切り傷等など、これらすべてに共通するキーワードは「炎症」になります。その炎症が起こる時に一番使われるビタミンがCです。
炎症に限らず、カラダの細胞の代謝で使われるものもビタミンC。私たちのカラダの中でビタミンCは本当に大活躍!ですので、ビタミンCは沢山とっても害にならないといわれる所以はこの理由によります。
ビタミンCは酸っぱい?
ビタミンCというと「レモン」や「酸っぱい」というイメージが浮かぶのではないでしょうか?
実は、ビタミンCには味がないことがわかっています。酸っぱいといわれるのは、レモンをはじめビタミンCが多いとされる食べ物に含まれるクエン酸などの植物酸になります。
「酸っぱい」は自然界においては腐敗のシグナル。腐ったものがカラダに入ってくることで、悪いものを早くカラダの外に出そうとして胃液の分泌が盛んになります。消化液を亢進させて解毒の働きも大きく担っているわけですね。
さらに、クエン酸はクエン酸回路というカラダの仕組みの名前の通りに代謝に大きく関係している微量栄養素。ビタミンCはその代謝に使われるという意味では、クエン酸とビタミンCは相乗効果を生み出す関係といえます。
ビタミンCの爆弾「ローズヒップ」!
ハーブでビタミンCといえば、ローズヒップが代表選手です。
ローズヒップは、バラ科バラ属の植物の果実(実は偽果)。主要な成分はビタミンCの他、ローズヒップティーの特徴ともいえるトマト味の「リコピン」、これに少しの酸味である植物酸(クエン酸)やフラボノイド、ペクチンなどの有用な成分が含まれています。
特に美容系でピックアップされる理由は、ビタミンCとフラボノイドの相乗効果でコラーゲン生成をサポートするといわれていることから。ビタミンCは水溶性なので単体では吸収されにくいのですが、フラボノイドやリコピンなどの成分と一緒になることで吸収率もグンとアップされます。摂らない理由が見当たりません!
近年では、入院食にローズヒップティーを取り入れる病院も増えているようです。この私も2年ほど前に外科手術で入院したことがありますが、その際病院でローズヒップティーが出されたことを今でも感動とともに鮮明に思い出します。
ローズヒップティーの水色(すいしょく)は、それこそローズ色でトマトのような酸味になります。一般的にハイビスカスとのブレンドで多く販売されているので、美しいルビー色の酸っぱい味覚が特徴になります。代謝促進ビタミンCの補給にお薦めのハーブブレンドティーです。
これからの乾燥する季節に粘膜を守るためにはローズヒップに含まれるペクチンやビタミンCも必要な栄養素のひとつです。そして、何よりも免疫をあげるためにはカラダを温めることも大事な条件のひとつです。