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【AGLAアーカイブス】瞑想が腸内細菌叢を調節し、不安、うつ病、心臓病のリスクを低減させる効果があることが明らかに!

AGLAアーカイブス

心と体を調える女性のためのスピリチュアルメディア『AGLA』で、とくに人気の高かったコラムを再掲する「AGLA アーカイブス」。2023年1月18日公開記事を加筆修正してお届けします。

研究の進展により、腸内細菌叢が「微生物叢 – 腸 – 脳軸」を通じて健康に影響を与えることが確認されています。

内面的な精神活動として、心身の健康にプラスの影響を与えることが知られている「瞑想」は、この腸内細菌叢に何らかの作用を及ぼすことが出来るのでしょうか。

数年間に及ぶ、長期的な深い瞑想後の腸内細菌叢を包括的に調査した研究は、これまでほとんどありませんでした。

精神医学研究を専門とするオープンアクセスジャーナル『General Psychiatry』に掲載された Shanghai Mental Health Center(上海市精神衛生中心)、Shanghai Jiao Tong University School of Medicine(上海交通大学医学部)などの研究によれば、瞑想を定期的に実践することにより、腸内細菌叢を調節することに役立ち、不安やうつ病、心臓病を軽減する可能性があることを報告しています。

「サマタ瞑想」と「ヴィパッサナー瞑想」

研究者らは、3つの寺院から37人のチベット仏教の僧侶(37人)、近隣住民(19人)の56人(全員男性)から糞便・血液(末梢静脈血)サンプルを採取し、rRNA遺伝子配列などの解読を行いました。

チベット仏教の僧侶は、精神修養のために、3年から30年の間、1日2時間以上、「サマタ瞑想」と「ヴィパッサナー瞑想」を行なっています。

サマタ瞑想は「止行」の瞑想ともいわれ、個人の注意を一つの物体やマントラに集中させることで心を安定させるもので、密教の「阿字観」や「月輪観」に相当する瞑想法です。

ヴィパッサナー瞑想は「観行」の瞑想といわれ、サマタ瞑想とは反対に集中する対象を定めず、心に感じたことを、そのまま観察し、あらゆる現象の本質を探究する洞察力に富んだ瞑想法です。

参加者は、サンプル採取の3ヶ月前より、腸内細菌叢に影響を与える抗生物質や抗真菌剤、ヨーグルトなどの摂取を行なっていません。

僧侶と、その対象グループである近隣住民の年齢、血圧、心拍数に有意差は認められていません。両グループとも、主食は主に高地産の大麦、米、蒸しパン、麺類で、副食は主に野菜、肉、バター茶などでした。

チベットは4000m以上の高地であるため、野菜があまり採れないことから、栄養不足を補うために仏教徒や僧侶も肉を食べています。

瞑想によって、不安、うつ病、心血管疾患のリスクが低減!

サンプルの分析により、僧侶と近隣住民では微生物の多様性と量に大きな差があることが分かりました。

瞑想グループ(僧侶)では、プレボテラ属(Prevotella)とバクテロイデス属(Bacteroides)が有意に濃縮されていました。また、2つの有益な細菌属、メガモナス(Megamonas)とフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)も大量に確認されています。

さらに、総コレステロールやアポリポ蛋白B(血中コレステロールと相関する動脈硬化性疾患の危険因子)などの臨床的危険因子の血漿濃度は、瞑想グループで有意に低下していました。

瞑想グループで確認された微生物は、精神疾患の緩和と関連しているとされ、瞑想がメンタルヘルスに関与している可能性のある特定の微生物に影響を与える可能性があることを示唆しています。

このことからも、長期にわたるチベット仏教の伝統的な瞑想は、心身の健康にプラスの影響を与える可能性があるといえます。

この調査では、僧侶と地域住民の間で腸内細菌叢の組成が異なることが確認されました。

瞑想グループに濃縮された細菌叢は、不安、うつ病、心血管疾患のリスク低減と関連し、免疫機能を高める可能性があることが示されています。これらの結果は、瞑想が心身症や幸福感にポジティブな役割を果たすことを示唆しています。

News Source

Alteration of faecal microbiota balance related to long-term deep meditation by Ying Sun et al. 『General Psychiatry』

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