PR

【AGLAアーカイブス】一日だけじゃもったいない!「七夕時間」を楽しもう

AGLAアーカイブス

心と体を調える女性のためのスピリチュアルメディア『AGLA』で、とくに人気の高かったコラムを再掲する「AGLAアーカイブス」。2019年7月4日公開記事『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第十二回)』よりお届けします。

7月7日、今年も「七夕」がやってきますね。

織姫と彦星にとって一年に一度の逢瀬の日。ふたりの逢瀬を「星合」「星の恋」というそうです。なんとも美しい言葉ですね。

織姫と彦星は天の川を舟で渡って逢うといわれていますが、雨が降ってしまうと、天の川の水かさが増してしまうので織姫は彦星のもとへ逢いに行くことができません。

梅雨が明けきらぬこの時季、「雨よ、降らないで」とお願いする方が無理があると思わなくもないですが・・・。

「七夕なのにどうして天の川が見えないの?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

実は、太陽の運行と月の満ち欠けをもとにした太陰太陽暦「旧暦」と、古代エジプトを起源とするグレゴリオ歴をもとにした「新暦」の違いによるもの

明治時代、旧暦から新暦への移行により、新暦では約一カ月季節が早くなり、ズレが生じるようになったのです。

全国的に有名な仙台七夕まつりも、月遅れの8月に行われます。ちなみに、2019年の旧暦の七夕は8月7日。旧暦の七夕であれば、織姫と彦星が逢える確率もぐっと高まります。

私と友人たちは一日で七夕が終わってしまうのはもったいないと、新暦の7月7日から旧暦の七夕までを「七夕時間」と題して、織姫にゆかりのある神社を参拝したり、目にも麗しい七夕そうめんを作って楽しんでいます。

一日だけじゃもったいない!

新暦から旧暦までの一カ月間、心ゆくまで七夕を楽しみましょう。

短冊にかける願いとは

七夕といえば、短冊に願いごとを書いて笹竹に飾る風習がありますね。

笹竹や五色の短冊が登場したのは江戸時代といわれています。織姫は機織りの神さま。そこで、機織りはもちろん、裁縫の技能向上、また、学問、和歌、習字の上達を願って、短冊を笹竹に飾ったそうです。

皆さんは、「硯洗(すずりあらい)」という言葉を聞いたことがありますか?

七夕の前日に、普段使っている硯や筆を洗う行事のこと。この硯洗にも、手習い上達の願いが込められていたんですよ。なんと、寺子屋では、子どもたちが硯や筆だけでなく机も洗っていたとか。

今年は昔の人たちにならって、七夕の前日、会社や書斎のデスク、子どもたちの勉強机、パソコン等、きれいに拭き掃除しませんか?

日本では自然はもちろんのこと、身近にあるものすべてに神さまが宿ると信じられてきました。ものを大切にすることは、豊かさの原点です。

日頃お世話になっているものたちをきれいに磨いてあげたら、ものに宿る神さまが喜んで下さるのはもちろんのこと、清々しさに勉強や仕事の効率も上がるかもしれません。

これは個人的な話になりますが、私が執筆致しました「福を呼ぶ 四季みくじ」のご縁をいただいたのは京都東寺でした。

今は亡き東寺の僧侶様に、「あなたはものを書く人だからね」と、硯と筆のセットをいただきました。もったいなくて使うことが出来ずにしまっていたのですが、あれから3年、今年の七夕は早起きをして、その硯と筆を使って短冊に願いごとを書こうと思います。

七夕そうめんで無病息災を願う

全国乾麺協同組合連合会では、そうめんの「伝統」「文化」「歴史」を後世へ引き継ぐために7月7日を「七夕・そうめんの日」と定めました。

七夕にそうめんを食べる歴史は古く、「延喜式」ではそうめんの原型といわれる索餅(さくへい)が、7月7日の七タの儀式に供えられたと記されています。

7日に索餅を食べると、一年間、無病息災で過ごせるという言い伝えもあり、宮中行事に取り入れられ、その後、庶民へと広がっていきました。

また、そうめんを天の川や織り糸に見立て、七夕にそうめんを食べるという説もあるそう。確かに、織り糸はそうめんと少し似ていますね。

また、短冊の五色にちなみ、五色のそうめんを販売しているお店もありますよ。青は「木」、赤は「炎」、黄は「土」、白は「金」。黒は「水」。最近では黒のかわりに紫が多く使われているようです。

色とりどりのそうめんは見目麗しく、星型にくりぬいた人参や玉子等を添えれば、心華やぐパーティーメニューの出来上がり!むしむしとした梅雨時期、無病息災の願いを込めて冷たいそうめんで英気を養いましょう。

七夕に訪れたい神社

仙台藩祖伊達政宗公により創建された大崎八幡宮では、古くから年中行事のひとつとして「七夕祈願祭」を行っています。夏越の祓の神事が終わると、境内に笹竹が飾られ、多くの人が色とりどりの短冊に願いをしたためます。

社殿前に笹竹が飾られるようになったのは、仙台空港の国際化に伴い、日本航空が全国の七夕飾りを仙台に集めて奉納したのが始まり。

仙台七夕まつりの最終日である8月8日に短冊をご神前にお供えし、祈願成就を祈念する神事が行われます。

毎年、郵送も含め、一カ月の間に全国から400近い短冊が神社へ届けられるそうです。震災後は個人の願いから、東北の復興を願う短冊が多く届けられるようになったと伺い、温かい気持ちになりました。

神社近くの竹林から選ばれた笹竹は、再び生きたまま同じ場所へと戻すため、根っこごと掘って砂箱に植えられているそうです。笹竹に結ばれた短冊も、願いをかけた方と神さまのご縁が切れないよう、ひとつひとつ手作業でほどかれ、ご神前に。

皆さんも、家族や友人、職場の皆さんと願いをしたためた短冊を仙台の八幡様へ。

風に揺れる七夕飾り、葉ずれさやけき杜の都仙台。神社の皆さんの見えざるやさしさに包まれて、願いはきっと神さまへと届けられるでしょう。

いかがでしたか?

新暦から旧暦七夕までの一カ月間。織姫と彦星に思いを馳せながら、夜空を眺め、星がさんざめく音なき音に耳を澄ませ、願いごとを書いて短冊へ。そして、家族や友人、恋人と冷たいそうめんを仲良くいただいて、神社で幸せを願いましょう。

2019年、心に残る七夕時間をお過ごし下さい。

福ふく

アバター画像

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

PRASADA編集部をフォローする
タイトルとURLをコピーしました