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【AGLAアーカイブス】「令和」新たな時代の始まりに憧れの神旅!伊勢神宮

AGLAアーカイブス

心と体を調える女性のためのスピリチュアルメディア『AGLA』で、とくに人気の高かったコラムを再掲する「AGLAアーカイブス」。2019年5月1日公開記事『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第四回)』よりお届けします。

皇位継承が行われ、「令和」という新たな時代が幕を開けました。

皇室の祖先神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)は万物を育む太陽にたとえられる神さまで、神々の中で最高位とされる日本国民の総氏神です。

天照大御神が祀られ、国家と国民の安寧を祈り続ける「伊勢神宮」は、他の神社とは一線を画す唯一無二の存在であり、私たち日本人の心の故郷。

江戸時代、「伊勢へ行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」と歌われ、庶民の憧れであった「お伊勢参り」。

その心は今も変わらず、内宮、外宮を合わせると、1年間に約800万人もの参拝客が訪れています。

新たな時代の幕開けに、憧れの神旅へ!
今日は、伊勢神宮の魅力を余すことなくご紹介します。

伊勢神宮とは

「お伊勢さん」と呼ばれることも多い伊勢神宮ですが、その正式名称は「神宮」。
お守りに刺繍されている文字も「神宮」の二文字です。

神宮とは天照大御神をお祀りする皇大神宮(こうたいじんぐう)、通称「内宮(ないくう)」と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする豊受大神宮、通称「外宮(げくう)」の両宮をはじめとして、14の別宮(べつぐう)と109の摂社(せっしゃ)、末社(まっしゃ)、所管社を合わせた125社の総称です。

豊受大御神とはどんな神さま?

外宮に祀られている豊受大御神は、天照大御神の食事を司る神さまです。

現在では食物の神としてだけでなく、衣食住という人の暮らしに関わる産業の守護神として広く信仰を集めるようになりました。

神宮には、1500年もの間、毎日欠かさず続けられているお祭りがあります。
神さまにお食事を差し上げる「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」。

このお祭りは外宮で、朝と夕の一日二回、行われています。

神職は前日から衣服を改め、飲酒を慎み、不浄な思いや言葉を慎み、心身を清める潔斎(けっさい)を行い、夜も明けきらない内から火をおこし、井戸で水を汲み、米を蒸します。

神さまに差し上げるお食事は、神宮神田、神宮御園(みその)、御塩殿にて、お米、野菜、塩と、すべて手作りされています。

このお祭りは太平洋戦争の空襲の日も、大きな災害に見舞われた日も、毎日欠かさず続けられてきたそうです。

お祭りの様子を見ることは出来ませんが、お祭りにまつわる模型などは伊勢市内の「神宮徴古館」に展示されていますよ。

神さまに感謝し、食材を集め、食事を差し上げることもお祭りのひとつ。
そう思うと、私たちも感謝の心で、丁寧な食事を心がけたいですね。

永遠の聖地

神宮は持統天皇の時代より1300年もの間、20年に一度、「式年遷宮(せんぐう)」を繰り返してきました。式年遷宮では、社殿はもちろんのこと、神宝もことごとく新調され、新しく造営された社殿の内に奉納されます。

言うならば、「神さまのお引越し」。

以前、福島市内に鎮座する「福島稲荷神社」を取材させていただきました。

こちらの神社は今から一千余年前、平安時代の陰陽師・安倍晴明によって創建。

安倍晴明がこの地を訪れた時に持っていたのが、伊勢神宮の外宮に祀られている豊受大御神の守り札。そこで、豊受大御神を勧請し、この里の総鎮守にしたという由来のある神社です。

取材の中で、式年遷宮について伺うと、宮司様が西洋と日本の信仰の違いについてわかりやすく教えて下さいました。

「西洋では永遠を目指してピラミッド等、神殿を石で造ったものの、現在、そこに王はいません。信仰も残っていません。それらがどういう方法で造られたのかさえ、私たちは知ることが出来ません。日本では物は有限、形あるものは必ず滅びるとする考え方があります。ならば、絶えず新しく、物も精神も甦らせようというのが日本の考え方。その中で携わる宮大工の技術も甦り、後世へと受け継がれていきます。更新し続けることで、永遠を目指すのが日本の心なのですよ」と。

滅びることなく、永遠の聖地であり続ける。
それこそが、神宮に息づく「常若(とこわか)」という精神です。

伊勢神宮の伝統的な参拝法

神宮の参拝の順番は、「外宮」から。

神宮では祭事のほとんどは外宮から行われます。
まずは外宮を参拝して、「内宮」へと巡るのが古くからのならわしです。

意外と知らない人が多いのが、二見興玉(ふたみおきたま)神社の「浜参宮(はまさんぐう)」。

こちらの神社は、神宮より車で約20分、JR参宮線「二見浦駅」から徒歩約15分の場所に鎮座しています。

古来、二見浦で禊ぎをしてから神宮へ向かうのがならわしでした。

現在も、遷宮の際に行われる、造営の御用材を運ぶ御木曳(おきひき)に参加する場合、二見興玉神社で身を清めてから行事に臨むのが慣例となっています。

「特別な旅にしたい!」という皆さんは是非、二見興玉神社から伊勢の旅を始めましょう。

海沿いに佇む神社は浄化力抜群。

潮風と海の青に抱かれるひとときは、究極の癒しです。

特に夏至の日には、二見浦のシンボルともいえる大小ふたつの夫婦岩の間からご来光を拝することが出来ます。

私も何度かこの地で朝日を眺めていますが、夜明け前から多くの人が集まり、海から朝日が顔をのぞかせた瞬間、「おう~」という歓声の声が。

二見浦は縁結び、夫婦和合、甦りの力を授けてくれる聖地です。
ちなみに、伊勢神宮におみくじなるものはございませんので、ご神託は二見興玉神社で。

和の正宮と、荒の別宮

「内宮」に、天照大御神を祀るふたつのお宮があることをご存知ですか?

正宮は天照大御神の「和御魂(にぎみたま)」、荒祭宮では「荒御魂(あらみたま)」をご祭神としています。

古の人は神さまに、ふたつの働きを見ていました。

穏やかな働きを「和御魂(にぎみたま)」、その反対の力強い働きを「荒」という字をあてて、「荒御魂(あらみたま)」としました。

山や川、岩や木など、森羅万象に神さまが宿ると考え、祈りを捧げてきた日本人。

晴天の日があれば、嵐の日もありますね。日照りが続くと大雨を欲したように、人々は「和御魂(にぎみたま)」とともに、力強い「荒御魂(あらみたま)」も崇めてきたのです。

内宮の奥まった場所に鎮まる荒祭宮は、正宮に比べると参拝客も少なく、ひっそりとしていますが、地元の人たちの間では何かを始める時に、荒祭宮をお参りするのがならわしになっているのだそうです。

前に進む勇気が欲しい、今が頑張り時だと感じる時は、荒御魂が力を授けてくれるでしょう。

外宮では、御池を渡り、石段を上った場所に鎮座する「多賀宮(たかのみや)」に豊受大御神の荒御魂が祀られています。

和御魂と荒御魂が持つ、やさしさと力強さ。
神さまから両方のお力をいただくためにも、ふたつのお宮を参拝しましょう。

伊勢の朔日(ついたち)参り

伊勢には、毎月1日の早朝に、神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」というならわしが残っています。ひと月無事に過ごせたことに感謝し、新しい月の無事を祈るもの。

神さまの乗り物とされる神馬は、毎月1日(他、11日、21日も)朝8時頃に正宮にお参りします。

2018年、皇室から神宮へ奉納された神馬「草新(くさしん)」。
「ご活躍してくださいね」と美智子様がやさしく声をかけられたというエピソードが新聞で紹介されていました。

朔日参りに、神馬と一緒に神さまに手を合わせるのも、忘れられない思い出になりそうですね。

「お伊勢参り」の名残を今に伝える「おかげ横丁」。
伊勢の朔日参りは、まるで元朝参りのような賑わい。
人々のパワーに圧倒されます。

伊勢と言えば、「伊勢うどん」や「赤福餅」は、江戸時代から伊勢名物として大人気。
伊勢を代表するロングセラーです。

創業300年を超える老舗の甘味処「赤福」では、毎月1日早朝に月替わりの「朔日餅」が販売され、なんと、開店前の午前3時半から長蛇の列が出来るほど。
毎月1日は、横丁のほとんどのお店が早朝に開店します。

伊勢の旅を考えている皆さん。
せっかくなら朔日参りで、神聖な神宮の空気とおかげ横丁の活気、そのふたつのパワーをチャージしませんか?


いかがでしたか?

私はこれまで数えきれないほど、伊勢を旅していますが、訪れるたびに、伊勢神宮でしか味わうことの出来ない特別な空気を感じています。

広大な自然もまた、神宮の魅力のひとつ。
内宮を流れる五十鈴川は、川底の石が見えるほど、透明度が高い天然の手水。
川の水に手をひたすと、その清らかさに心が洗われる気がします。

五十鈴川のすぐそばに鎮座する「瀧祭神(たきまつりのかみ)」は気づかずに通り過ぎてしまう人も多いですが、こちらには五十鈴川を守護する水の神さまが祀られています。

社殿のない石畳に古くから祀られている神さまは、古来の祈りのカタチを今に伝える、神宮の中でも特別な意味を持つ神さまと考える人も多いようです。

時代が動いた2019年の参拝は、きっと特別なものになるでしょう。
江戸時代も今も変わらぬ憧れの聖地「伊勢神宮」で、心に残る神旅を!

『四季に寄り添い、祈るように暮らす』

次回は、私がハッとさせられたある女性宮司様の言葉と、日本のやさしい文化についてご紹介させていただきます。

福ふく

参考文献

「遷宮のつぼ」 神社本庁  / 「永遠の聖地 伊勢神宮」千種清美著

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フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

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